身近なハーブ『よもぎ(蓬)』の女性にやさしい効果

最近は外出がままならず、なかなか季節を体感しにくいですね。私は季節の食材を食べることで、お腹で季節を感じることにしています。春が旬で、草餅やお灸の元でもある『よもぎ』には私たちが思っていたよりもさまざまな効果があったのです。


キク科の一種であるよもぎは、団子やお灸以外にも入浴剤や化粧品などにも使われており、古くは止血薬など医療用として用いられ、多くの薬効があることから「ハーブの女王」と呼ばれています。

☆よもぎを食べて、カラダの内側から摂り入れる
 
①食物繊維 
【腸内環境改善】(100g当たり/不溶性食物繊維6.9g水溶性食物繊維0.9g)
よもぎに豊富に含まれている不溶性食物繊維は、ほうれん草(100g当たり/不溶性食物繊維3.0g水溶性食物繊維0.6g)よりも多いです。食物繊維は腸内でカラダに有害物質やいらないものを吸着し、さらに腸を刺激して動きを活発にすることで、便として体外へと排出する働きがあります。そのため、腸内環境を整えるため、便秘の解消や、大腸がんを予防する効果が期待されています。
 
②クロロフィル(葉緑素) 
【貧血対策】
クロロフィルとは、植物や藻類などに含まれる緑色の天然色素ですが、人間の血液のヘモグロビンと似た構造をしているため「緑の血液」とも呼ばれています。最近注目されているユーグレナやスピルリナにも含まれている成分でもあります。そして、体内に摂取されたクロロフィルは、血液中で鉄と結合し、末梢血管を拡張して新陳代謝を高めて造血機能を促進するため、貧血の予防や改善に役立ちます。
 
【優れたデトックス効果】
クロロフィルにはコレステロール値を下げる働きがあり、血液がサラサラになり血行が促進されるため、血栓の予防や血圧を下げる作用が実証されています。ほかにも、農作物や乳製品、魚などを食べることで体内に取り込まれるダイオキシンやカドミウム、鉛などを吸着して排出させる解毒作用があるので、体内のデトックス効果も期待できます。
 
【抗酸化作用】
クロロフィルには強力な抗酸化作用と浄化作用があり、活性酸素などの酸化ストレスから守ってくれています。抗酸化作用によって免疫力が高まるため、インフルエンザなどの予防にも効果があると言われているほか、染色体異常の発症が抑制され、がん予防にも効果があるのではと期待されています。また、ニキビの原因となるアクネ菌の増殖を防いで炎症を抑えたり、シミやそばかすの改善する働きもあるため、美白・美肌効果が期待できるということで、化粧品の材料として使用されています。
 
【消臭・殺菌作用】
また、消臭や殺菌効果があることが知られており、口の中で口臭の元となる細菌の増殖を抑える働きがあるので、ガムなどの材料に広く使用されています。
 
③β-カロテン(100g当たり6000㎍) 
β-カロテンは、がん抑制や免疫賦活作用(免疫力を高めること)で知られていますが、体内でビタミンAに変換され、髪や視力、粘膜や皮膚の健康維持、そして、強力な抗酸化作用によって体内の活性酸素を除去することから風邪の予防や、がんの予防や抑制にも期待できます。また、ほうれん草(100g当たり5400㎍)より多く含まれており、緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、油と組み合わせて調理すると吸収率がアップするので、よもぎの天ぷらと言った揚げ物や炒め物が効果的です。

☆お茶として飲む
 
上記のような多くの成分を飲んで吸収できる以外に、よもぎの生薬としての作用で、鎮咳作用や鎮痛作用、健胃作用があります。そのため、お茶として飲むことで、咳や喘息、痰などを落ち着かせて呼吸を楽にする働きがあります。また、カラダを温める作用があるので、冷え性の改善や、クロロフィルの働きで血の巡りが良くなり貧血対策にもなるので生理痛の改善のほか、胃の健康を保つなどの働きにも期待できます。また、ノンカフェインのため、汗をかきやすいこれからの季節の水分補給におススメの飲み物でもあります。

☆よもぎをカラダの外側から取り入れる
 
①ビタミンK 
よもぎは古くから生薬として止血薬としても用いられてきました。それは含まれているクロロフィルの殺菌作用のほか、ビタミンKには出血時に血を固める働きがあるからです。また、食べることで骨にカルシウムが沈着するのを助けて、丈夫な骨や歯を作るサポートをする働きがあります。
 
②お灸 
お灸に使う「もぐさ」は、よもぎの葉の裏に産毛のように生えている白い毛の部分を集めて作られています。よもぎには有効成分である「シネオール」という精油成分があり、強力な消毒、殺菌、鎮静、鎮痛作用などがあります。お灸をすることによって、これらの成分が皮膚の表面から内部に浸透していくため、痛みを和らげるといった効果があり、もぐさを燃やした時に出る煙にも含まれているそうです。
 
お灸は全身に点在するツボにもぐさを置き、火をつけて温めることで刺激しますが、温めた熱は体の深部まで届くため、ツボ周辺の血行を良くして、元々カラダが持っている自然治癒力を高めることができます。そして、体内に温熱刺激を与えるため、血の巡りを良くする効果が高く、リンパの流れも改善されて、むくみの解消や免疫力UPにつながります。また、体を温める効果があり、更年期症状など女性ホルモンの乱れから来る不調の改善や、冷え性や肩こりなどの改善にも適しています。そのため、これから増えてくる冷房による冷えの改善に期待ができます。
 
③アロマ効果 
よもぎの独特な若草の香り成分は「シネオールまたはユーカリプトール」と呼ばれ、お灸の時にもあるようにアロマ効果が期待できます。精神安定やストレス解消など、脳神経を鎮静化させる働きによって心を落ち着かせてリラックスをさせ、安眠効果をもたらします。
 
④化粧品や入浴剤として 
【化粧品】
肌の新陳代謝を高める酵素を多く含んでいるうえ、デトックス効果や抗酸化作用などの働きで、シミそばかすを薄くする美白作用や、ニキビの予防や改善などにも効果的と言われています。
 
【入浴剤】
保湿効果や血行促進効果が高いので、お茶として飲むのと同じく、冷え性や肩こり、腰痛の改善、生理痛を和らげてくれます。香りにはリラックス作用があり、抗酸化作用などの働きでシミそばかすの改善や、ニキビやあせも、虫刺されなどの皮膚のトラブルにも効果があるとされ、効果の高い天然の入浴剤といえます。

☆まとめ☆
 
道端で簡単に見つけることができるよもぎは「食べても良し、薬としても良し」という、捨てるところ無しの私たちの美容や健康に役立つ万能ハーブであることが分かりました。運動不足の解消がてら、散歩しつつ探してみてはいかがでしょうか?
 
(参照(日本食品標準成分表2015年版(七訂))