柿は体を冷やすとは言うけれど、実は万能薬だった

最近、スーパーなどで丸々とした柿を見かけませんか?
今回はそんな旬の果物「柿」に注目してみたいと思います。


 
柿は日本で最も古くから食されている果物で、その歴史は奈良時代までさかのぼります。日本語のカキということばがそのまま学名にもなるほど実に日本らしい果実です(学名:Diospyros kaki「ディオスピロス・カキ」)。
 
柿は、実はとても栄養価の高い果物なのです。発ガンを抑える効果があるといわれる「カロテン」「ビタミンA」「ビタミンC」がとても豊富で、風邪の予防や疲労回復、美肌効果、老化防止も期待できます。柿に含まれる渋みのもと「タンニン」は、血管を強くして生活習慣病予防、老化予防が期待できます。さらに、「タンニン」にはアルコールを分解する働きがあり、利尿作用のある「カリウム」も豊富なので、二日酔いの時に柿を食べるとよいと言われています。また、「カリウム」は高血圧の予防にも働きます。
果実だけでなく、近年の研究では、カキの葉に含まれる「アストラガリン」が、アレルギー発症の原因となるヒスタミンの分泌を抑制するため花粉症や糖尿病に効果があると言われています。
 
「ビタミンC」は柿1個で一日の必要量をほぼまかなえるくらい含んでいるそうです。何と、みかんなどの柑橘類の約2倍もの量です。そのため、「柿が赤くなると医者が青くなる」と言うことわざがあり、豊富なビタミン類とミネラルが栄養摂取に乏しい時代では医者いらずの万能薬として重宝されたそうです。


 ★「柿は体を冷やす」といわれる原因は・・・?
 
これには、大きく二つ考えられています。
①   利尿作用のあるカリウムが含まれているので、トイレに行く回数が増えるといわれているから。
 
カリウムは体内の余分なナトリウム(塩分)を腎臓に吸収することを抑制して尿として排泄する役割があるためです。
 
②   タンニンが含まれているので、鉄分の吸収を妨げて貧血になりやすいから。
 
貧血になればもちろん体内を巡る血液循環が悪くなるため末端(手足の指先)が冷たくなるからです。
 
 ★もう一つ、「柿を食べるとお腹をこわす」といわれる原因は・・・?
 
体を冷やす可能性についてお伝えしましたが、お腹をこわすとはどういうことなのでしょうか?
柿に限らず、果物は水分が多いので、食べ過ぎればお腹をこわすことは十分考えられます。言い換えれば、「トイレに行く回数が増える=お腹の調子が悪い」とも解釈できます。
 
 
〇高血圧予防とむくみ解消
 
「カリウム」にはナトリウム(塩分)を排泄する働きがあるため血圧を下げ、高血圧の予防に効果があります。
 
日本人は何かと塩分を摂りすぎてしまう傾向にあります。醤油・味噌・塩など慣れ親しんだ調味料はすべてナトリウム(塩分)が多量に含まれています。それに加え、ハム・ウィンナー・かまぼこなどの加工食品にも塩分が含まれているため知らない間にさらに塩分をとっているのです。
厚生労働省の「平成29年国民栄養調査」によると、日本人の成人男性は一日に10.8g、成人女性は9.1g摂取していることが分かっています。しかし、厚生労働省が提示している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、男性8.0g未満、女性は7.0g未満が目標値となっており、男性は2.8g、女性は2.1g、多く塩分を摂取してしまっているのが現状です。
 
塩分の摂りすぎはカラダのむくみにもつながります。そのため、塩分を排出するカリウムは、むくみの解消に働くともいえます。
 むくみ解消には日々カラダを動かして血行を促してあげるのが一番ですが、社内勤務なら1時間に1回は伸びをする、トイレの時に屈伸運動をする、社内や駅は階段を使うようにする、など長い時間同じ姿勢でいないことが大切です。むくみを感じやすい足首をぐるぐる回すだけでも効果はあります。
 
〇便秘に注意?整腸作用がある?
 
「タンニン」には、整腸作用の効果もあります。腸粘膜のけいれんを抑える働きがあるのでお腹を下している時に摂取すると、下痢を抑えてくれます。
逆に食べ過ぎると、腸の運動を妨げてしまうので便秘の元にもなりかねないので注意が必要になります。
 
「タンニン」はメリットもありますが、同時に「鉄分吸収を妨げ、貧血を起こす」「便秘になりやすい」といったデメリットも無視できません。金属と結びつく性質があるため、せっかく鉄分を含む食品を摂っても体内に吸収されにくくなるのです。鉄分不足は貧血を起こす原因にもなります。
 
以上の理由から、美味しく柿を食べる量としては、1日1~2個が適量でしょうか。