高齢者の便秘の原因と対策

高齢になると、若いうちに便秘に悩まされたことはなかったのに、加齢に伴って便秘になったという人は大勢います。実は、不思議なことではなく自然なことです。人は年齢を重ねるたびに便秘になりやすく、事実、男女の違いを問わず30代と60代では便秘のリスクが2倍に膨れ上がると言われています。今回は、なぜ年を取ると便秘になってしまうのか、その主な原因を紹介します。
 


【高齢者が抱える便秘のリスク】
①    肉体の衰え
年齢を重ねると、肉体の衰えは隠せません。筋力そのものの低下、特に腹筋周りには腸の動きに直結します。そして、腸自体の機能も衰えるので、便がなかなか運ばれず長く腸内に留まることで水分が失われ、固くなるのでさらに便秘になりやすくなります。


 
②    食事の量の減少
歳を取ると、消費カロリーも少なくなり消化機能も衰えます。そのためどうしても食事の量が減ってしまいます。食べる量が減ると便の量が減ることになり、排便をする習慣が付かなくなってしまうのも原因とされます。
さらに、食事の量と同時に水分を取らなくなるのも便秘の一因となります。トイレや尿漏れを気にして水分を取らなくなると、ただでさえ少ない便から水分が失われ、固くなってしまいます。固く、少ない便は若い方にとっても便秘の原因になるので、高齢者なら尚更です。


 
③    常用薬などの影響
歳を取って、様々な薬を常用するようになると、それが原因で便秘を引き起こしている可能性もあります。どんな薬にも副作用があり、ものによっては薬の副作用として便秘のような症状が出てしまうものもあります。
便秘の副作用が出やすい薬としては、「抗生物質」や「抗うつ剤」です。
もちろん、このような薬は必要であるから処方されているのであって、便秘の副作用があるからといって服用をすぐにやめるわけにはいかないでしょう。しかし、どうしても副作用が強い場合は、医師に相談し、別の薬を処方するなどの対策も必要です。



 
【便秘を解消するためのコツ】
高齢者の便秘は身体的な負担も考えると容易に薬に頼るわけにもいかず、簡単に治すのは難しいと言っていいでしょう。しかし、逆に薬に頼らない分、日常生活に便秘解消の工夫を凝らすことで若年層よりも健康的に便秘を改善できるという見方もできます。




①    トイレに行く習慣をつける
便秘を解消する最も簡単な方法は、便意がなくてもトイレに行く習慣をつけることです。歳を取ると、便そのものの量が減り、それに伴ってトイレに行く回数も減ってしまいます。しかし、決まった時間にトイレに行く癖をつけておくことで、体がそれを覚えて自然と便を出しやすい環境を整えるようになってきます。
高齢者の人は、介護の人の手を借りなければトイレに行けなかったりすることもあり、迷惑をかけまいとして便意を我慢したりすることもあるようですが、これはむしろ逆効果です。
 


②    運動(体を動かすこと)を欠かさない
肉体の衰えが便秘の原因になってしまうのは明らかです。そのため、無理をしない範囲で、毎日欠かさず運動をしましょう。もちろん、極端な筋力トレーニングなどは必要ありません。むしろ散歩や家事、畑仕事など日常的に行なう全身運動を続けるだけで十分です。体が自由に動くだけの筋力を保っていれば、便秘の原因にはならないでしょう。
 


③    水分をしっかり取る
ご自身では気付きにくいかもしれませんが、歳を取ると喉の渇きを感じにくくなり、水分補給が十分にできていない場合がありますその結果、便が固くなって便秘になるので、こまめに水分をとるようにしましょう。
 
 

薬などに頼らなくても、便秘を治すことはできます。いつまでも元気でいられるよう、歳を取ってこそ健康に気を配りましょう。